こんにちは。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナル・コーチの長井です。
一昨日は二十四節気の寒露。朝晩は少し肌寒いぐらいになり、ようやく秋を感じるようになってきました。また下期のスタート時期でもありますね。あなたはいいスタートが切れていますか?
さて、今日のタイトルはリセット。最初は「怨念の成仏」としていたのですが、さすがに改めました🤭 不本意な異動となった人の話を聞いたことがきっかけでこのお便りを書いてみました。
望まない職場への異動。それも左遷とか第1線を離れるような異動となれば、ご本人がガックリもしくはカリカリきていることは容易に想像がつきます。
職場側にすれば、そうなったのは本人のこれまでの仕事ぶりに問題があるというスタンス。いわば自業自得と言いたい感じ? 往々にしてその話だけを聞けば、うなづかされたりします。
が、本人の認識は必ずしもそうではありません。本人自身は、自分の出来が悪いとは認識していなかったり、仮に成果が不十分だったとしてもそれは自分のせいではないと思っているなんてことは極めてフツーに起こり得ます。
また、職場側のその人への評価についても、確かにそういう一面もあったのでしょうが、それが本当にその人の全体を捉えたものだったのかはわかりません。
そうして、送り出す職場の方はようやく厄介払いができた、と言わんばかりの感じだとすると、こうした本人の鬱屈した思いがケアされることはまずありません。
こうなると、本人はまさに「怨念」を抱えたまま新しい職場に移ることになります。バリバリ働くことは望み難いでしょう。ひょっとしたら周りに当たり散らすかもしれません。「やる気ない」感を身体中から発散する様子などは容易に想像がつきます。
会社の中の処遇は上り調子ばかりとは限りません。不遇なこともあるでしょう。それでもそこで毎日働く日々が続きます。転職でも決意しない限り。
そして、そんな感じで働いていれば、そこを脱出してステップアップできる可能性はどんどん狭まり、むしろさらに不本意な異動が待ち受けることになりかねません。負のスパイラルです。
それは、何よりまず本人にとって不幸な話ですが、職場としても小さくないマイナスダメージを被ります。「腐ったミカンの方程式」ではないですが、強烈な負のオーラを発散する人と一緒に仕事をしなければならない職場メンバーはたまりません。結果的に職場全体のモチベーションやモラルが落ち、アウトプットも低下していくという流れに陥りがちです。
さてどうすればいいのか。
おそらく即効性のあるウルトラCを求めると出口はないのでしょう。
月並みかもしれませんが「あの人はこういう人だ」「いくら言っても無駄だ」というレッテルから脱却して、もう一度その人ときちんと向き合ってみること。「あの人と関わると面倒だからできるだけ近寄らないようにしよう」という発想では、こちらがその人を疎外しているのであり、結果としてその人の問題行動を誘発もしくは拡大再生産しているという一面も否定できません。
そのための最初の第一歩は、まず、「怨念」を全部吐き出させてあげること。その言い分に「違う」と感じるところがあっても、「そう思ってきたんだね」とまずは全部受け止めること。それが「怨念の成仏」になります。それができて初めて「で、今の自分をどう思う?」「この先どんなふうになりたい?したい?」と前向きな話が始められます。
いいか悪いか別にして、しばしば会社にはそういう人が集まる「姥捨て山」のような職場が存在します。まさにいいか悪いかは別にして。傾聴のプロとしてそうしたリセット活動のお手伝いができれば、と思ったりしております。どうぞお気軽にご一報頂ければ幸甚です。
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ここいち便りは教科書ではありません。みなさんが何かを考えたり取り組んだり話し合ったりするきっかけやヒントになればと思っております。リクエスト・異論・ご意見などなど大歓迎ですので、お気軽にお寄せいただければ誠に幸甚です。