こんにちは。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナル・コーチの長井です。
秋分の日も過ぎ、ようやく朝晩涼しくなってきました。暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものです。
最近私は、「あなたの最近のGOOD NEWSを聞かせてください」というアイスブレイクでコーチング・セッションを始めています。
(「アイスブレイク」は、たとえば初対面の人同士が出会う時等、緊張をときほぐすための手法のことで、参加者の不安や緊張を氷にたとえ、その「硬い氷をこわす、溶かす」という意味です。集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、そこに集まった目的の達成に積極的に関わってもらえるよう働きかけることが狙いです)
ビジネスの世界にいると「課題は何?」とか「どこに問題がある?」といったことばかり追いかけがちです。GOOD NEWSについて人から問われることはまずありませんし、結果、自分でもせっかくのGOOD NEWSを見過ごしてしまうことになりかねません。
実際、特にベテラン社員の方たちは、「え!」「GOOD NEWSですか?!」と意表を突かれた感じになったり、しばらく考えた末に「特にないですねえ。。。」とお答えになるケースが少なくありません。
で、「ホントにないですか?仕事でもプライベートでもいいですよ。ほんのちっちゃなことでもいいですよ。たとえば昨日のお昼ご飯が美味しかったとか」とさらに聞くと、「うーん、そう言えば。。。」と語り始められます。
GOOD NEWSを思い出して口にして頂くと、必ずその方はステキな笑顔になります。そりゃそうですよね。苦虫を噛み潰したような顔でGOOD NEWSを語る人はありえません。で、私は「いい笑顔になられましたね」と私に見えたそのままをフィードバックします。これだけで、いい空気の中で会話を始めることができ、いい1時間を過ごしやすくなります。
このアイスブレイクの目的はこれだけではありません。「自分の視点が自分を制約に追い込んでいる」ということに改めて気づく訓練でもあります。
GOOD NEWSを探そうとしていないから、身の回りのGOOD NEWSに気づかない。実はGOOD NEWSはすぐ側にあるのに、他でもない自分自身がそれを見ようとしておらず、結果「あー、毎日おもしろくない」と言ったりしている。
これと同じようなことがたとえば「人を見る目」にもあったりします。あの人のあんなところがキライだ、と思うとそこばかり目に付くものですが、実はそれはその人のある一面でしかなく、他のいいところを自分が探す気になれば何か見つかるのではないでしょうか。
「人は見たいように見て、聞きたいように聞いている」とはコーチングではよく言われる言葉です。「脳は、自分が取りに行く情報をあらかじめ決めている」とも言われます。そうしたことを実感して頂くのにこのアイスブレイクは好適ではないかと思います。
これを体験したクライアントの多くは、「これ、いいですね!自分もぜひやってみます!」とおっしゃいます。上期も終了ということで、目標管理の中間面談を予定されている方も少なくないのではと思います。お互い胸襟を開いたホンネの対話をするために、あなたも試してみませんか?
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ここいち便りは教科書ではありません。みなさんが何かを考えたり取り組んだり話し合ったりするきっかけやヒントになればと思っております。リクエスト・異論・ご意見などなど大歓迎ですので、お気軽にお寄せいただければ誠に幸甚です。